• 2010年8月18日
  • 新刊について

五味さん、『らくがき絵本』を大いに語る。(20周年記念イベントやります!)

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五味さんの人気シリーズ『らくがき絵本』が、今年でなんと20周年。発行元のブロンズ新社が中心となって、今年記念イベントを行うとのことですが、改めて五味さんに『らくがき絵本』について、聞いてみました。

(写真は、最新シリーズの『らくがき絵本』)


―(オクダ) 『らくがき絵本』が発行されて、今年で20周年ということですが。

(五味さん)  20年経ったなんてオレも気づいていなかったんだけど・・・。今年2010年だから、1990年に発刊したということかぁ。ちょっと感慨深いもんだな。

―どんなキッカケで、企画が始まったんですか?

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当時、発行元のブロンズ新社と「何か面白い本をつくろうぜ!」という話が出て、「だったら分厚いのをやろうよ! 電話帳みたいな分厚いやつ」っていうアイデアが出てきたんだよね。なんかいいじゃない、分厚いのって。
また、紙質にこだわろうと思って、当時流行り始めていた再生紙を使ってみようと思ったんだ。オレも興味があったからね。しかし、何刷りまでかは発行してみたんだけれど、結局のところ長続きはしなかった。要は商材として完成していなかったんだな。再生紙なのに値段が高かったり、供給が安定していなかったりと・・・。
まあ、そんなこんなで紙質選びの苦労なんかもあって、現在に至ったわけだけど・・・。

―『らくがき絵本』を出版した後の世間の反応は? いまや海外17カ国で発行されているんですよね。

本を出した後に、爆発的ではないけど、予想していた以上に売れたんだ。海外では、ボローニヤのブックフェアなんかでも紹介したら、けっこう世界各国からオファーをもらって、追加注文もあって。
そこで当然というべきか、日本も含めイタリアやアメリカなんかでも類書が出たんだけれど、どれも長くは続かなかったね。そりゃそうだよ、みんな本気じゃないもん。塗り絵かその程度のものだと思っている。一時は日本でも15~6冊も似たようなのが出ていたけれど(なかにはソックリなのもあったな)、いまやどれも残っていないね。
何かに落書きしたり、色を塗ったりする行為は当然オレが考えたものではないけれど、本気でらくがきをテーマに本を作ったのはオレが初めてだと思う。オレのは本気でやっているから、他に追従を許さないんだな。そう、いまや勝ち抜いたな、という気分もあるね。
ただウラ話として、分厚い本にした理由に、少しだったら真似できるだろうけど、ここまで多くは真似できないだろうっていうのもあったんだよね。ま、思ったとおりだったな(笑)。

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―また新刊が4冊シリーズで出ますよね。

うん、らくがきに関する本は、これで最後になると思うんだけど、今回は4つの気分を描いてみたんだ。
らくがきの内容はともかく、らくがきをするときの個人個人の気分っていうのがありそうだと思ったんだね。楽しいときとか、イライラしているときとか、退屈だなぁとか、寂しいなぁとか・・・。一種のお遊びなんだけど、気分的なモチベーションっていうか、そんなものを表現してみたんだな。

―そもそも、五味さんにとって"らくがき"って何ですか?

"らくがき"というよりも、絵を描くっていいもんだよ!っていうことかな。歌を唄ったり、楽器を弾いたり、人それぞれあると思うんだけど、オレの場合は絵を描くことで精神と肉体のバランスを取っているんだと思う。・・・ついでに経済のバランスもだけど(笑)。朝起きて、なかなか調子が出てこないときに、絵を描くことで、だんだんペースに乗ってくるとか・・・。そして、絵を描いて自分自身のバランスを取っていることが、あまりにも有効なので、少々おせっかいなんだけど、人にも勧めてみようと思って・・・。

―ウチの子は、小学校から帰ってきて、ずっと絵を描いたり、工作したりしていますが・・・。

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子どもなんて、絵を描いたりして、いろいろ気分を調整している代表だよね。でも、愚かな大人は「何描いたの?上手に描けた?」なんて、いろいろとうるさいんだ。絵を描くということをよく分かっていない。
特に、絵はアートだなんて言い始めた18~19世紀ころからおかしくなって、絵を描くことが特別なことだと勘違いしてるんだな。でも、絵は観賞や論ずるものではなく、もっと"現実的に使えるもの"だというのがオレの考えというか実感で、つまるところ、『らくがき絵本』は、ある意味でひとつのアンチテーゼなのかもしれないね。

―『らくがき絵本』と他の絵本作品との違いは?

絵のなかでもっとも大事なところを人に描かせるということかな。たとえば、木を描こう!と思って、木を描いて葉っぱを描くじゃない。でもこの本は、葉っぱを人に描かせるんだな。葉っぱの部分が一番面白いのにって・・・(笑)。
そうそう、はじめ50枚くらい描いたときに、男の子と女の子を出して「あいだに橋を描きましょう」ってやったんだな。でも、どうしてもオレも橋を描きたい!と思って、できた後に、自分でコピーして橋を描いちゃったもん。あースッキリ!みたいな。で、この本は絶対イケるぞって思ったね。
ついでに料理人の気持ちが分かったのもこの本だな。美味しい料理を自分じゃなくて、他人様に食べてもらうんだから。で、美味しいところをお前にあげるんだから、金払えというのもよく分かる(笑)。

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―今年、20周年を記念してイベントを開催するということですが・・・

うん、この20年を振り返ってみると、日本でもずーっと売れ続けていて、世界でも17カ国の人たちに遊んでもらっていて、さらには新たな国からオファーをいくつかもらっていて・・・。であれば、『らくがき絵本』をいっそのこと自慢しちゃおうかなっていう気分になったわけで、いまブロンズ新社が中心となって、近々、東京の原宿か青山近辺で行うつもりなんだ。詳しいことはまだ決まっていないけど、順次発表していくつもりなので、よろしく。(了)

記事のなかでご紹介した最新シリーズ、
『うれしいときの らくがきBOOK』
『おこったときの らくがきBOOK』
『かなしいときの らくがきBOOK』
『たいくつなときの らくがきBOOK』 の4冊は、全国の書店にて好評発売中です!

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